公益社団法人 島根県栄養士会

特定分野管理栄養士
「がん病態栄養専門管理栄養士」

松江市立病院 森山純子さん

日本人の2人に1人は生涯のうちにがんにかかる時代となり、当院においても、がん患者さんと関わることが年々増えてきました。その関わりの中で、癌種や病期(診断期、治療期、終末期)に応じてどのような栄養支援をすれば良いのか迷うことも数多くありました。専門的な知識と根拠をもって適切な栄養支援をしなければと思い、「がん病態栄養専門管理栄養士」の取得に至りました。

現在の活動内容は、緩和ケアチームメンバーとして、治療期における有害事象の症状に応じた対応、栄養面の不安に関する相談などを行ったり、外来化学療法室の看護師と連携し、抗がん剤投与中の患者さんのベッドサイドで栄養相談も行っています。また、緩和ケア病棟担当栄養士としての役割は、症状緩和により在宅療養へ移行される方の栄養支援や、QOL向上のための食支援です。どの時期にどのような栄養介入が適切であるかを見極め、チームで共有し、患者さん個々の食の歴史を理解したうえで関わることが重要だと考えています。

病状によって介入方法は様々ですが、管理栄養士の介入によって患者さんやご家族の不安は軽減し、QOLは向上すると感じています。まだまだ力不足ですが、がん患者さんを診断期から切れ目なく栄養支援していけるよう努力していきたいと思います。